なぜ釣行後のメンテナンスが必要なのか
海釣りをしていると、気づかないうちに**「塩害」と「サビ」**が釣具を確実に蝕んでいきます。
海水の塩分は乾くと結晶化し、金属部品にこびりついて電食(異種金属腐食)を引き起こします。
特に、リールのベアリングやロッドのガイド、ルアーのフック部などは最も影響を受けやすい部分です。
釣行後、わずか1回でも「洗わず放置」しただけで、内部の錆び・固着・塩噛みが始まります。
一度サビが進行すると、洗っても元の性能には戻りません。
つまり――釣りの寿命は、釣ったあとに決まる。
この記事では、初心者でも簡単にできる釣行後メンテナンスの完全手順と防錆テクニックを解説します。
さらに、実際に今も販売されている防錆・撥水・保護スプレーなどの実用アイテムも紹介します。
基本編:釣行直後に必ずやるべきこと
1️⃣ 塩抜き(真水での洗浄)
帰宅後、または現場で可能なら**「真水洗い」**が最優先です。
使用後の釣具をそのまま車や倉庫に放置すると、乾いた塩が結晶化して部品を腐食させます。
- 使用するのはシャワーやバケツの「ぬるま湯程度の真水」
- 高圧洗浄はNG(内部まで水が入り、グリスを流してしまう)
- 塩の結晶を溶かすようにやさしく流す
👉 特に以下の部位は念入りに
- ロッドのガイド・ジョイント部
- リールのスプールとハンドル部
- ルアーのフック根元・スプリットリング
- スナップやスイベル類
2️⃣ 拭き取り・乾燥
洗った後は、やさしくマイクロファイバークロスで水分を拭き取ります。
タオルでも構いませんが、繊維が残りやすいので注意。
次に、陰干しで完全乾燥。
直射日光は避け、風通しのよい場所に1〜2時間ほど置きます。
リールはドラグを緩め、スプールを外した状態で乾燥させると理想的です。
部位別メンテナンス完全手順
🎣 ロッドのケア
ロッドは釣具の中で最も塩を浴びる部分。
表面の塗装やガイドの金属部分は錆びやすく、内部のカーボン層にまで影響を与えることもあります。
- ガイド周りを重点洗浄
歯ブラシや綿棒を使い、リング周辺の塩を除去。 - 継ぎ目(フェルール)部は乾いた後にロウや専用グリスを塗布
固着防止と滑らかな抜き差しの両方に効果があります。 - 保管時は縦置きではなく、水平保管
特に湿気の多い押し入れや車内放置はNG。
⚙️ リールのケア
リールは最も精密な釣具です。
釣行後の**「水洗い→乾燥→防錆」**がすべて。
手順
- 水で軽く流し、ハンドルを回さない(内部に水が入る)
- 水分を拭き取り、陰干しで完全乾燥
- スプレーを使用する前にドラグをゆるめておく
- ハンドルノブ・スプール周辺・ベール部に防錆潤滑スプレーを軽くひと吹き
- 余分な油を拭き取る
💬 ポイント
・グリスを流さないよう、スプレーは「遠くから霧状」に。
・ドラグ内に直接吹き込まない。
ルアー・ジグ・フック類
ルアーやジグは金属×塩分=錆びの温床。
フック交換が可能でも、ボディの金属部分の腐食は避けられません。
- 使用後は淡水で洗う
- よく乾かしてからタックルボックスに戻す
- 錆止めスプレーを軽く吹きかけて保護膜を作る
🧵 PEライン・リーダー類
ラインは塩を吸うとコシがなくなり、強度低下します。
また、リール内部に巻き込まれた塩分がベアリングの劣化を招きます。
- シャワーで軽く洗う(リールに巻いたままでも可)
- 乾いたタオルで水分を吸収
- 日陰でしっかり乾燥させる
- 仕上げに防水・撥水コート剤を薄く吹く
🎒 小物・バッグ・ケース類
ハサミ・プライヤー・スナップ・針ケース・クーラーの金具部分も忘れがち。
特に、塩が乾いて白くなった部分はすでに金属腐食が始まっています。
- プライヤー:関節部に潤滑スプレー
- プラケース:真水洗い→完全乾燥
- バッグ:表面を濡れタオルで拭き取り、陰干し
💡スプレーを全体に軽く吹くと汚れがつきにくくなります。
予防ケア:防錆・撥水・保護膜で差をつける
釣具を長持ちさせるコツは、「使ったあと」ではなく**「使う前と保管時」**にあります。
ここでは、定番の防錆・撥水スプレーを用途別に紹介します。
| 商品名 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| PROSTAFF D74 高性能防錆潤滑スプレー | 金属パーツ全般に使用可。滑り+防錆両立。 | リール・プライヤー・フック類 |
| KURE 5-56 | 定番潤滑剤。安価で入手性◎ | リール外装・ハンドル・ヒンジ |
| KURE 長期防錆スプレー | 皮膜タイプで長期防錆。屋外保管向け | 予備リール・工具類 |
| バリバス タックルにシュッ! | 釣具専用。PEライン・ロッド・リール可 | オールラウンド |
| SHIELD 釣り具用撥水スプレー | 撥水+防汚。透明コート仕上げ | 竿・ライン・リール全面保護 |
定期オーバーホールの目安
| 項目 | 頻度 | 内容 |
|---|---|---|
| リール内部清掃 | 年1回(使用頻度高い場合は半年) | 分解・グリスアップ・ベアリング交換 |
| ロッド点検 | 年1回 | ガイド緩み・クラック確認 |
| ライン交換 | 釣行10〜15回ごと | 劣化・退色チェック |
| フック交換 | 錆発生時・針先鈍り時 | 消耗品と割り切る |
やってはいけないNG行為
- 高圧洗浄機でリールを洗う
- ドラグを締めたまま洗う
- 塩が残ったまま車内放置
- ヒーターで強制乾燥(熱変形の危険)
- シリコン系スプレーの多量使用(滑りすぎてトラブルの原因)
メンテナンスを「習慣」にするコツ
- 釣行バッグに「洗浄用ミニボトル+クロス」を常備
- 帰宅したら“5分ルール”で即洗う
(疲れてても“5分だけ”と決めると続く) - 月1でメンテデーを設定
→ ライン・スナップ交換、スプレー再施工など
この3つを続けるだけで、釣具寿命が2〜3倍に伸びます。
まとめ
釣りを長く楽しむコツは、釣った後にどれだけ釣具をいたわるかに尽きます。
毎回の洗浄・乾燥・スプレー保護――この3つを守れば、塩害・サビ・劣化を確実に防げます。
今回紹介した商品(防錆・撥水・潤滑スプレー)は、
どれも現行販売中&入手しやすい実用モデルです。
💡おすすめ再掲
- PROSTAFF D74 高性能 WS 防錆潤滑スプレー
- KURE 5-56 防錆潤滑スプレー
- KURE 長期防錆スプレー NO1426
- バリバス タックルにシュッ!
- SHIELD 釣り具用撥水スプレー
🎣 「釣具は使って終わりではなく、育てるもの。」
次回の釣行でも最高のパフォーマンスを発揮できるよう、今日からぜひ習慣化してみてください。


